事業報告

1.良好な景観形成に寄与する広告物の設置を推進するための調査、研究および知識の普及

(1) 「屋外広告の日」キャンペーンを展開した。
  業界恒例の行事である9月10日「屋外広告の日」、9月1~10日「屋外広告物適正化旬間」キャンペーンは、本年も全国統一ポスターによるPRを実施した。また、会員団体・地区連合会独自の企画による運動は感染症対策を講じながら地域に密着したさまざまな形で展開され、斯業の社会性高揚に資した。

(2) 都市景観の向上に寄与した。
  国土交通省が推進する「10月4日/都市景観の日」「まちづくり月間」「まちづくりと景観を考える全国大会」「都市緑化推進運動」「緑の愛護のつどい」などの主催者団体の一員として、各行事の実施に協力した。

2.安全な広告物の設置を図るための調査、研究、技術の改善および知識の普及

(1) 屋外広告物点検技能講習を実施した。
  屋外広告物点検技能講習を公益目的事業の一つである普及啓発事業として(公社)日本サイン協会との共催により、17会場で実施し、647名が受講した。制度開始時からの累計修了者数は5,917名となった。

(2) 中央技能検定委員会への委員就任。
  国家試験である技能検定を実施する中央職業能力開発協会に協力して、中央技能検定委員会に委員を推薦した。広告美術職種についは本年度より検定時期を後期日程とした。

3.屋外広告に関する資料の収集および市民を啓発するための図書、資料等の刊行

(1) 『Signs』誌第16号・第17号を発行した。
  (公社)日本サインデザイン協会、日本サイン学会の編集協力のもと、『SIGNS』(1976~2012)の後継誌として平成25年3月に創刊した『signs』誌の第16号・第17号を発行、ビジュアルなサイン情報を盛り込んで専門的知識の普及、広告景観の啓発に努めた。

(2) 機関紙『日広連』を継続発行した。
  機関紙『日広連』を引き続き発行、情報の提供、催事の周知等を進めるとともに、広く関係各方面にも配布して斯業のPRに尽くした。

(3) ホームページの維持管理、内容の充実に努めた。
  日広連ホームページ「e-signs」の維持管理に努め、新たに屋外広告士試験についても申込み窓口を開設したほか、試験の公示や試験問題の公開、合否情報の掲載および全国各自治体が実施する屋外広告物講習会や都市景観賞の情報提供を行った。

4.屋外広告物の設置、管理に関する業務に従事する者の試験および証明

(1) 屋外広告士試験を実施した。
  屋外広告物法に基づく登録試験機関として、第29回屋外広告士試験を10月25日に全国12会場で実施し939名が受験、うち447名が合格(合格率47.6%)し、有資格者は累計で9,872名になった。

5.関係官庁との折衝および屋外広告行政に対する協力

(1) 屋外広告官民連絡会議を開催した。
  本年度は新型コロナウイルス感染防止から四国地区のみで官民連絡会議を開催し、地区行政機関との活発な意見交換を行い、官側との意思疎通を促し、行政の円滑化に寄与した。

(2) 屋外広告物条例ガイドラインの普及に努めた。
  屋外広告物条例ガイドラインの普及啓発に努め、官民連絡会議等において「条例上での点検方法の充実」を共通議題化し、有資格者による点検を地方自治体の屋外広告物条例に取り入れるよう要望した。

(3) 屋外広告行政の推進に協力した。
  全国の屋外広告物条例の改正状況や地方自治体が実施する屋外広告物講習会の開催情報をホームページおよび機関紙等を通じて情報提供するなど、屋外広告行政に関する情報の普及伝達に努めた。

6.屋外広告物に関する保険の開発、斡旋、紹介

(1) 点検保険を創設し新規加入を促進した。
  各地の屋外広告物条例改正に併せ、全国で点検保険を中心とした説明会を行い、屋外広告物総合保険制度シルバー・ゴールド・プラチナに付帯する「点検保険」の普及に努めた。

(2) 屋外広告物総合保険制度の普及に努めた。
  保険市場の変化に対応しつつ、所属員に有利な制度を導入するため、本会が加入する中小企業団体中央会が行う超ビジネス保険をシルバー等の本会独自保険に加えて屋外広告物総合保険制度のパンフレット上にラインナップし、今後の商品充実とグレードアップに努めた。

7.会員の組織、事業等に関する指導

(1) 会員増強モデル組合事業を実施した。
  前年に引き続き会員増強モデル組合事業に取り組み、令和2年度モデル組合に指定された埼玉、沖縄の2団体のうち、沖縄に会員増強に要した費用のうち最大30万円までを助成、勉強会開催事業が感染症拡大により行えなかった埼玉については継続とし、令和3年度モデル組合として神奈川を新たに指定した。このほか、独自に会員増強を実現した愛媛など7団体を表彰し、賞状を送付した。

(2) 業界実態調査を実施した。
  諸事業推進の基礎資料となる所属員実態調査について、昨年に引き続き12月末日を調査時点として1月に調査を実施すると共に、実態調査の主要項目について直近10年間の調査結果を取り纏め、調査票に同封して配布した。

(3) 会員団体実態調査を実施した。
  会員団体実態調査を本年も引き続き実施し、合わせて「共同受注実績」「補助事業実施実績」についても調査を進め、会員団体の運営に資した。

(4) 「日本の広告費」実態調査に協力した。
  ㈱電通調査「日本の広告費」の基礎資料となる「屋外広告売上高調査」に、本年も引き続き協力し、集計結果を『日広連』紙等で紹介した。

8.正会員である団体に所属している者(以下「所属員」という。)の事業経営に資する指導、啓発および情報の提供

(1) 『オーナーさんのための看板の安全管理ガイドブック』を配布した。
  屋外広告物適正化推進委員会で作成した『看板の安全管理ガイドブック』の冊子を引き続き配布すると共に、点検技能講習においても活用し、屋外広告物による危害防止に努めた。

(2) 例示された「屋外広告物設置工事」の周知をはかった。
  平成26年12月に改正適用された「建設業許可事務ガイドライン」により、『とび・土工・コンクリート工事』欄に「屋外広告物設置工事」が例示され、建設業許可取得の窓口が広がったことを受け、その周知をはかると共に、国土交通省との定期的な意見交換を行った。

9.会員および所属員の事業交流の斡旋並びに業に関する資材機器用品の斡旋

(1) 共同購入事業を継続実施した。
  全国組織のスケールメリットを生かし、キャラコ、用紙類、ストロングクロス、ヘルメットなどの共同購入を実施した。

(2) 所属員の事業交流や資材機器のあっ旋を実施した。
  所属員が遠隔地において行う屋外広告工事等について、依頼に基づき請負事業所の斡旋紹介を行い、所属員間の事業交流に協力した。また普段の業務を通じて資材機器の斡旋、展示会情報や製造元の紹介等を実施した。

10.会員および所属員の福利厚生に関する事業

(1) 生活総合保険の安定化をはかり無記名傷害保険制度の販売を促進した。
  病気やケガによる休業中の所得を補償する所得補償保険、生命保険を含む事業所生命共済、医療・がん保険の3種からなる生活総合保険の制度運営維持を計ったほか、掛金見直しをした無記名傷害保険の販売を強化し、所属事業所の福利厚生事業を安定的かつ発展的に推進した。 (2) 日広連弔慰金制度を推進した。
  月額150円の割安な掛金で死亡時に限り加入者へ10万円を贈る日広連弔慰金制度への加入を進め、所属員の経営安定に資した。

11.その他本会の目的を達成するために必要な事業

(1) 業界功労者の顕彰を行った。
  本年も業界功労者の顕彰を行い、阿部明夫(福島)、髙橋功(東京)、松島勇(鳥取)、上沖郁児(愛媛)、茅野悦子(新潟)の各氏に日広連賞を、46名の方々に組織功労賞を授与した。第62回全国大会を新型コロナウイルス感染拡大のため中止したことから日広連賞については第63回全国大会で授与することとし、組織功労賞他については賞状・記念品を送付した。また本会の推薦により上村計介(静岡)、野田好信(岡山)両氏が旭日双光章、松本幹久(東京)、岡﨑勲(高知)、中尾伸一(福岡)各氏が国土交通大臣表彰、夏目健一氏(大阪)が建設マスター受賞の栄誉に輝いた。

(2) 事業関連団体の活動を支援した
  本会の事業関連団体であるサインクリエーター協会、全国屋外広告士会連合会、全国広告美術技能士会連合会、日本屋外広告業青年部連合会に対し、総会開催を補助するなど、活動を支援した。

(3) 関係団体との協調をすすめた。
  恒例の「屋外広告の日」キャンペーンをはじめ、春秋の都市緑化運動、広告 界合同年賀会の共催、全国中小企業団体中央会・日本広告審査機構・公共広告機構への参加協力等を通じて、関係団体との協調をすすめた。

(公社)日本サイン協会、(一社)日本ディスプレイ業団体連合会、(公社)日本サインデザイン協会の会長等による連絡会議は本年については中止とした。